十二湖

LastUpdated 2000/08/05



2000/06/02[SA]晴れ->2000/06/03[SU]曇り

今年も大学時代の野鳥の会OB仲間とともに十二湖ツアーを企画した。すでにあやふやなのだが、今年で11年目くらいだろうか...毎年通っているフィールドなので、この10年ほどの間の環境変化がよくわかる。今年の十二湖日記、まずは思いつくまま、こんなところが変わったなー、という点を少し。

・長池キャンプ場
初めて行った頃は廃虚状態だったが、現在は「リフレッシュ村」という北欧をイメージしたコテージ群と管理棟ができて、立派なレジャー施設となっている。テントで野宿がお決まりパターンだった我々も、近年はちゃっかり利用している。食堂やレンタサイクル、アスレチック、テニスコートなどもある。キャンプやバンガローでの泊りもOKだ。

・挑戦館
リフレッシュ村と同じ頃にできたように思う。(10年前くらいか)民芸品作りなどに*挑戦*できる。一度しか入ったころが無い...車が進入できる終点付近で、大きい駐車場あり。(昼間有料)

・トイレ
以前はけっこう苦労したものだが、現在はログハウス風のりっぱな簡易水洗トイレが、あちこちに建って、大変便利になった。きちんと管理されている。

・日暮の池前、青年の家
よく、庭で野宿させてもらったり、大学サークル合同の合宿に利用していたのだが、昨年かおととしあたりに取り壊されたようで、今は更地になっている。めちゃくちゃ安くて、良い施設だったのだが....軒下で雨宿りさせてもらいながら調理したこと数しれず。思い出の場所であった。

・道路沿い
路肩整備や斜面の補強がこの10年でけっこう進んだ。積雪はかなりの量らしく、大きめの休憩所が3年前くらいに雪でつぶれて廃屋になった(今も残がいあり)。最近、沢を一部潰しての林道工事などが入って、ちょっと心配な面もある。

さて、今年の十二湖である。初の試みだが、いつもは現地に2泊以上するところ、今回は1泊のみのハードスケジュールを組む。金曜夜に仙台発->宮城県北でちょっと寄り道->秋田道全線利用して、十二湖での土曜朝探鳥を目指す。宮城からの参加者は5名だ。

秋田道を使ったのが効いて、時間的に余裕を持って北上。午前3時頃には十二湖直前まで到達することができた。ここでちょっとした事件が起きる。あと3.5Kmで十二湖というあたりの国道を走っていると、車線の真ん中で何やら大きな鳥が轢かれている。気になるのでちょっと止まってみると、なんと、フクロウの成鳥で、片方の翼が大怪我ながら、まだ生きていた。落鳥寸前という雰囲気だったが、取り急ぎ保護することにして、フクロウとともに、十二湖に到着。まだ朝3:00すぎなので、しばし夜が明けてくるのを待つ。鳥のコーラスは朝3:30の暗い頃から始まったが、やはり何度聴いてもすごい(このクラスのは久々に聴いたなぁー)。付近が明るくなってくると、急に静かになってしまった。といっても、いつもの探鳥開始時間よりさらに早い、朝4時なのだが...


夜明け前からうろうろ。ここは去年、「単なる沢の補修ならいいな...」と思っていた工事現場だったのだが....がーん!期待をうらぎり、しっかり林道ができていた。まだ開通していない模様。


落口の池(アカショウビンの声がときおり聞こえてきて、雰囲気満点だ)。オシドリ、カワセミなども見られた。アカショウビンは、ずーっと待っていると運しだいで池の上を移動する姿が見られること*も*ある。

さて、朝食後、早朝6:00から悪いなぁ、と思いつつも、後で合流予定のバンダーさんにフクロウの件を連絡。(参考:一番高い場所にある駐車場のみ、DoCoMoは使えた。他社は全滅...)幸い知りあいの獣医さんに連絡がとれたそうで、急きょ青森から駆けつけて下さることになった。もう少し鳥を見て歩いた後、十二湖駅で一同仮眠しながら待つことにする。9:30頃に早くも到着した獣医さんは、先々週の飛島で同宿だった方であった。フクロウの状態を確認して、すぐに今度は五所川原の病院に搬送するため、トンボ帰りでスっとんでいかれた。後で、「翼はだめだったが、命は助かる。鳥獣保護施設で余生を送る予定。」との連絡をいただく。自然に復帰ができなかったのは残念だが、命が助かったと聞いて、同行者一同ややほっとする。早朝に起こされた上、遠いところ、駆けつけて下さった獣医さんに一同大感謝である。

その後、鳥見中に、さらに2名合流。昼間の買いだしに行って戻って、さらに3名合流で、今回の参加者全員がそろった。

探鳥コースにて---

遊歩道のブナ原生林。完全に苔むしたベンチ&テーブル、沸壺の池。この池は水が大変きれいなので、十二湖の中でもお気に入りの場所だ。たまーにヤマセミなんかが居る。今回は林の中では無く、道路沿いの池で見かける。十二湖はカワセミ、ヤマセミ、アカショウビンと、日本で繁殖する全種が生息する貴重な場所である。


十二湖といえば、さえずりの主役はキビタキである。あちこちで声がしているので、かなりの密度のようだ。ただし、葉が茂っているため、すぐそばで声がしていても、姿を見るのは、なかなか大変である...ほかにはオオルリ、コルリ、クロツグミ、など美しいさえずりの代表選手たちの声は一通り楽しむことができた。また、アオバトの怪しげな声も遠くからよく聞こえていた。ひとつ気になっているのが、カッコウの少なさだ。今年は、宮城でほとんど声を聞くことができないのだが、十二湖でも同様であった。今年の少なさは異常な気がする。トケン類でも、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチはいつも通り鳴いていたのだが...

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朝、昼、夕、深夜の夜探と何度も歩き回ったので、かなり疲れた。翌日もさらに朝探鳥。この数年では一番歩いたんではなかろうか。最後に八森町のドライブインで*お約束*のイカ焼きを食べて、帰仙した。

しかし、やはり1泊はけっこうつらかった。例年行く不老不死温泉も、今年は省略してしまったなぁ。

出会った鳥たち
カイツブリ、アオサギ、オシドリ、トビ、クマタカ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、ツツドリ、ホトトギス、アオバズク、フクロウ、ヨタカ、ヤマセミ、アカショウビン、カワセミ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、カワガラス、コルリ、トラツグミ、クロツグミ、ヤブサメ、ウグイス、メボソムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、エナガ、オオルリ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、カケス、ハシブトガラス、ハシボソガラス、(十二湖周辺にて:ウミネコ、イソヒヨドリ、オオヨシキリ、モズ、キジ、スズメ)

---おまけスナップ
買いだしに行った際、十二湖駅前のコンビニ犬。
全員そろって、翌朝の探鳥(休憩中?)風景。鶏頭場の池にて。