沖縄

LastUpdated 2001/07/01



久々の鳥見ツアーは、なんと3月17日から25日、8泊9日で初沖縄である。

2001/03/18[SU]晴れ 座間味島
高速艇「クイーンざまみ」の始発にて那覇泊港から座間味島へ。座間味は鳥よりはクジラが目当てである。さっそく宿から予約を入れて、ホエールウォッチング協会でチャーターしている船に乗ってみることにした。あいにく、クジラの出ているポイントは波が荒れているとのこと。船長さんと協会スタッフの打ち合わせからも「お客さんがもつかどうか...」とか不安な会話が聞こえてくる(^^;)...「きもち悪くなったら海に吐いて下さい」さんざん念を押され、12-3人で乗船。ポイントまでは2-30分だが、しっかりつかまっていないと転がってしまいそうな揺れかたであった。到着するころには、かなり気分が悪くなる。

しかし、苦労のかいあって、クジラの方は大当たりであった。3頭現れ、最短距離はほとんど目の前! 望遠レンズではフレームアウトしてしまうくらいだ。ブリーチング(残念ながら視界にとらえた時はすでに着水寸前であったが)したり、なかなかアクティブ。10回船を出して1回くらいしか見られない光景だということで、一同船酔いを忘れて1時間半ほど堪能することができた。


ザトウクジラ...潜水する際のテールと鼻の穴アップ!



2001/03/19[MO]晴れ 座間味島
夕方の船で那覇に戻る予定なので、散歩、洗濯、座間味港の公園での昼寝と、なんとものんびりぜいたくな一日。公園ではツバメがいるなぁ、などとのんびり見ていたのだが、実はリュウキュウツバメで、初見種であった。あぶなく見逃すところである。島ではメジロが大変多く、カラ類などよりも頻繁に見ることができる。本州の感覚ではスズメのよう。また、島なのにカモメ類をまったく見かけないのは、なんとも意外であった。(多いといえば、猫。それこそうじゃうじゃというくらい居て、人に会うよりも猫に会う頻度の方が高めだったかもしれない)


イソシギ...宿の真ん前にて

座間味の鳥たち
オオミズナギドリ、イソシギ、キセキレイ、ハシブトガラス、メジロ、アオバズクS?、猛禽SP、ハクセキレイ、イソヒヨドリ、ムクドリ、コムクドリ、ヨヨドリ、セッカ、アオジ、リュウキュウツバメ、ウグイス、キビタキS、キジバト


2001/03/20[TU]晴れのち雨 本島北部

深夜1:30に那覇を発ち、レンタカーで本島北部、まずは辺野喜ダムを目指す。到着は午前3:30頃であったが、さっそく夜の探鳥を開始した。ヤンバルクイナが生息する地域なので、林道沿いで休んでいそうな木は入念にチェックしてみたが、残念ながら発見できず。やはりそう簡単に見ることはできないようだ。林道では2度ほど白っぽいアマミヤマシギ(ヤマシギ関係は初ルックだ)を飛ばしてしまう。ほどなくして沖縄の遅めの夜明けを迎え、ダム近辺の林道を中心に探鳥した。ヤンバルクイナの声が聞けないかと耳を澄ませたが、それらしき声はとうとう聞くことができなかった。変りに、キツツキの声とドラミングが間近でする。場所からしてノグチゲラなのだが、散々ねばるも姿は見せてくれなかった。アカヒゲもしかり。ほんとに至近距離で頻繁に遭遇するのだが、どーしてもどーしても姿だけは見つけられない、難しい鳥であった。よく姿を見かけるのは、(リュウキュウ)サンショウクイで、本州に比べるとかなり普通種寄りといった感じである。

次に、北部東側に移動して、タナガーグヌイの滝を散策。ここはヤンバルクイナが初めて写真撮影された場所である。滝までの道は、超急勾配でロープを伝って降りていくようになっている。鳥の方はカラ類が多く、特にヤマガラは再三近くまで寄ってきてくれた。駐車場ではサシバが上空を通過していく。実はサシバも本州では見たことが無かったので喜ぶ。

さらに欲張って、国頭(くにがみ)森林公園へ。駐車場を探してのろのろ移動していたら、いきなり目の前にズアカアオバトがとまったりして、息が抜けないのであった。(このへんでさすがにくたびれて、しばし駐車場にて仮眠)公園は遊歩道が整備されているのだが、「ハブに注意」の看板がたっている。できれば見たいが、踏んづけたりはしたくないので、足もとに注意しつつ歩く。公園ではサンショウクイやメジロ、シロハラなどを何度も見ることができた。歩き終わったころから雨。夕方、那覇に着く頃には、くたびれきって、完全にグロッキーであった。


リュウキュウサンショウクイ...国頭森林公園にて。


トビトカゲ...国頭森林公園にて。眺めていたら、ほんとにあざやかに手前の小枝に飛び移ってきた。正面からアップで撮影。けっこうかわいいぞ(^^)


本島北部の鳥たち
辺野喜ダム付近
(リュウキュウ?)コノハズクS、メジロ、(リュウキュウ)サンショウクイ、コゲラ、ヤマガラ、キジバト、ノグチゲラ、ウグイス、ズアカアオバト、リュウキュウツバメ、ヒヨドリ、キセキレイ、アカヒゲ、シロハラ、ハシブトガラス、シジュウカラ

タナガーグムイ〜普久川ダム
サンショウクイ、サシバ、ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、コゲラ、キセキレイ、アカヒゲ、ウグイス

国頭森林公園
シロハラ、サンショウクイ、ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、ミサゴ、ササゴイ、キセキレイ、ハクセキレイ、アオサギ、ウグイス、ハシブトガラス、キジバト



2001/03/21[WE]晴れのち雨 本島金武大橋周辺

夕方のフェリーで石垣へ向かう前にレンタカーを返さなければならず、今日はあまりゆっくり見ていられない。朝早めに高速でシギチ目当てで金武へ向かう。金武大橋から農道にそれたサトウキビ畑で、まずチョウゲンボウが頭上を通過した後、電柱にとまってくれた。しばし車内から観察。しかし、ずっと車でまわるのも農耕車のじゃまになりそうなので、以降は広い空きスペースに停めて歩いて回ることにした。荷物をまとめてモタモタしていると、河口に面する橋に先に出ていた連れがなにやら騒いでいる。行ってみると、宮城ではなかなか見られないセイタカシギが群れでいるではないか。ほかに、チュウシャクシギやアオアシシギ、イソシギなどもちらほらと休んだり、餌をとったりしている。潮汐をよく調べないで来てしまったのだが、ちょうど干潮時にあたってくれたようでラッキーであった。

畑のわきを歩いていると、派手な模様のシギが2羽が飛びたち(知らずに脅かしてしまった...)、双眼鏡で追うとタマシギであった。連れは初見。沖縄では私よりも着々とライファーが増えていっているようで、ちょっとうらやましい。ふと前を見ると、何やら小さくて胴長の見たこともないほ乳類がトコトコ歩いている。こちらに気づかず、待っているうちにずいぶんそばまで寄ってきてしまった。よく見ると、マングースであった。かわいい顔しているのだが、我々に気づいたとたん、「じゃーっ!!!」と大騒ぎして逃げていってしまった。気性はずいぶん荒いようだ。以前、ハブ退治用に離したマングースが野良化しているような話を聞いたことがあるが、本当であった。

マングース君

車の方へ戻りはじめた頃は潮が満ちはじめてきており、シギチも少し移動していた。セイタカシギが近いので、写真を撮らせてもらう。車に到着した時点で、本降りの雨となり、田んぼに寄り道して那覇へ戻ることにした。田んぼではイカルチドリとオジロトウネンなどが見られたが、その時には、雨がさらに激しくなり、もう窓を開けてらんないくらいのどしゃぶりになってしまった。那覇に戻り、車を返すころには、また雨があがっている。沖縄の春の天気は、聞いていたとおり、非常に変りやすい。この夜は、石垣島行きのフェリーで船中泊である。(なかなかハードスケジュールだ)

セイタカシギ(10羽程度の群れでいた)とダイサギ

金武の鳥たち
チョウゲンボウ、ミサゴ、セイタカシギ、イソシギ、チュウシャクシギ、メジロ、シロガシラ、ウグイス、アオアシシギ、キジバト、キセキレイ、ハクセキレイ、リュウキュウツバメ、スズメ、ハシブトガラス、コサギ、チュウサキ、ダイサギ、アマサギ、アオサギ、イカルチドリ、タマシギ、オジロトウネン、セッカ、カワセミ



2001/03/22[TH] 晴れ 西表島

那覇初のフェリーに船中泊で、石垣島へ午前6:00頃到着。海は完全に凪いでいて快適な船旅であったのだが、なぜか3-40分ほども遅れたようだ。石垣に着いたら西表行きの始発時間まで散策でも、と思っていたのだが、そういえばここは沖縄であった。夜明けが遅く、しばらく真っ暗で何もできず...(^^;)1時間以上待つと、ようやく外が明るくなってきた。あまり離れていないので、フェリーターミナルから水上バスの桟橋まで徒歩で移動。途中、オサハシブトガラスを見かける(ちなみに那覇市内ではカラスはまったく見かけることはなかった)。ハシブトガラスと比べて小柄で、鳴き声も甲高く非常にかわいらしいのが特徴だ。いっぺんでファンになってしまった。石垣島でも相変わらずメジロが多く、街路樹に咲く花に群れている。イソヒヨドリやサンショウクイも道すがら見られた。

リュウキュウメジロ...石垣島フェリーターミナル付近にて

8:30頃発の水上バスにて、いよいよこの旅の最南端となる西表島に到着する。港には「池田様」と張り紙のしたレンタカーがキーつきで駐車してあった。前日に電話で予約を入れていたのだが、なかなかアバウトな雰囲気でよろしい。まずは大原港近辺から見てみることにして、南下。5分も進まないうちに、いきなり電柱の上にカンムリワシがとまっているではないか。なんとも、おとぼけな表情でくつろいでおり、あまり警戒心は無いらしい。こっちのことは、てんで無視して遠くを眺めている。これ幸いとばかり、車内から一枚。

カンムリワシ...このとぼけた顔に注目!(うぅ...かわいい....(^^;)

カンムリワシをゆっくり見てから車を発進させると、また5分も進まないうちに、今度は路上をふさぐ大きな鳥が! カンムリワシに続き、もちろん見るのは初めてのムラサキサギであった。これまた、ぜんっぜん逃げないので、車を進められない。ずっと待っていると、ようやくゆっくりと路肩の畑に移動してくれた。飛ぶかなー、と恐る恐る脇を通過したが、平然としている。(その後、ムラサキサギを至近距離でゆっくり観察できる機会は訪れなかったので、ラッキーな状況だったのだろう)

ムラサキサギ...轢かれるなよー...ちょっと心配になる警戒心の無さ..(ちょっと、露出が難しいシーンで写真は失敗)

浜の入り口にレンタカーを停めて、空が見えないほどの、うっそうとした林の中を海へ向かって歩いていく。林に入るなり、なにやら首すじがくすぐったいので手をやると、早くもデカいダニがとりついているではないか。ちょっと、ダニは苦手な方なので、急ぎ足で海まで一気に進む。西表の浜は、生物に満ちあふれていた。油断して歩くと、すぐに何か踏んづけてしまいそう...足の踏み場も無いくらいの密度で、なんというか、感激である。頭上ではカンムリワシも飛び交っている。電柱で見た時はかわいらしかったカンムリワシだが、さすがに飛翔している姿は猛禽らしく、なかなかかっこ良いのであった。

カンムリワシの飛翔...浜に面する森の上を数羽飛び交っていた。


海辺の東屋で一休みした後は、今日利用する宿のある船浦方面へゆっくりと移動。運悪く、ちょうど、島の道路は大規模工事の真っ最中で、大型トラックが頻繁に行き来している。あちこちで、交互通行や、未舗装路もあり、なかなか落ち着いて走っていられない。工事と工事の狭間のわずかな区間で、良さそうな場所を探しながらの鳥見となった。

移動しはじめの序盤、小さな川に沿った良さそうなポイントを見つけた。車を降りて見ていると、何やら茂みの中から獣がけんかしているような「ギャオー、ギャオー」というタダナラぬ声が聞こえてくる(猫の大げんか?)。それに「ガサガサガサー」っと、草をかきわけるような音も...何だろう何だろう、と懸命に目を凝らすが、なかなか姿が見えない。もしかして、と思って図鑑を調べると、ちょうどシロハラクイナが争っている時の声がこんな感じらしいことがわかる。せっかく西表まで来て、こんなに近くで鳴いているんだから、これは、見逃せん!....と思って、ねばりにねばったのだが、残念ながら、影をチラと見ただけに終わった。ところがである。結局、シロハラクイナは、その後、いたるところで、出るは出るは...西表ではまったくめずらしくないようだ。あんなにねばることもなかったなぁ(^^;)。(道路沿いでも、ちらほら歩いているので、轢かないように注意)

さらに進むと、牧場に面して駐車スペースがあり、止まってみることにする。なんか、脱色したようなモズがいる。これは、めずらしモズかしら?と、また図鑑をチェック(予習不足でまるっきり図鑑頼みの沖縄探鳥だ)すると、シマアカモズであった。アカモズの亜種なのだが、派手なアカモズと違って色合いが地味で、同種という感じは、あまりしない。シマアカモズはもちろん初めて見るが、アカモズ自体、見るのはずいぶん久しぶりである。

道路沿いで見つけた大きなドライブインが団体さん貸し切りだったので、お昼は、西表温泉にて。こちらはガラ空きで涼しく、ゆーっくりしてしまった。お土産用に、かねてから欲しかったイリオモテヤマネコのステッカーを、たくさん購入。(利用はしなかったが、温泉の方は、確か1,200円だったかな?)

午後は、海沿いのマングローブを見たり、渓流がいきなり河口になっている場所を散歩してみたりしながら北上。船浦付近に近づいてからは、主に田園地帯を見て回る。田んぼのあぜ道では、またシロハラクイナが歩いていたり、遠くの木にはムラサキサギがぼーっとしていたり、頭上をカンムリワシが通過していったり....うーむ、山あいの田園風景としては、一見、本州と変らないのだが、いる鳥が沖縄だなぁ。

トビハゼ君。水面をジャンプしながら移動する姿にびっくり!
沖縄の島は、蝶も非常に多い。連れは鱗翅が苦手なので閉口していたが(^^;)

という行程(だいぶはしょってますが)にて、夕方、宿に到着。今回は、ふあなはうすというペンションを利用したが、非常に感じ良くて、お奨めである。夕刻、部屋の窓から外を見ていると、カラス大?のむちゃくちゃ巨大なコウモリとおぼしき影が飛んでいくのを見かける。うーん、ヤエヤマオオコウモリったって、こんなにでかいのだろうか、と思ったが、後で調べると、ほんとにデカいようだ。多分自分が見かけたのも、ヤエヤマオオコウモリだったのだろう。果物とか食べるおとなしそうなコウモリだが、もし、この大きさで、襲ってきたら、ちょっと怖いぞ。

夕食の後、出歩こうかとも思ったが、生き物を轢いちゃったりするとやなので、夜探はやめにする。外では、コノハズクが盛んに鳴いていた。


2001/03/23[FR] 晴れ 西表島

朝食前に、探鳥。道路は、夜間に上陸してきたカニの大群が轢かれていて、阿鼻叫喚のありさまに...うーん、やっぱり夜出歩かなくてよかったかも...

今日は、深浦川をボートで遡ってマリュウドの滝までの登山道を歩く、観光コースを利用してみることにした。往復3時間ってところで、帰りの時間までに船着き場まで戻らないと、ボートに置いていかれてしまうそうな。そのせいか、同行の皆さんは、どんどん先に行ってしまい、しんがりをのんびり歩く。鳥は、キビタキやカラなど。謎の声(勉強不足)も、聞こえるのだが、木がうっそうとして良く見えない。滝までたどり着くが、ちょっとゆっくり歩きすぎたせいで、帰りは急ぎ足に。どんどん歩いていると、後ろからついて来ていた連れが「あっ!」と声を挙げる。どうしたのかと思ったら、ハブであった。なんと、自分は気づかずに、ハブを踏みそこね?て、そばを通過したらしい。ハブは、登山道の上で、あざやかな黄緑色したトカゲ(ぜんっぜん見たことない種類)をくわえていた。トカゲは、もうぴくりともしていない。こわごわ写真を撮るが、どうにも腰が引けてしまう。暗くてだめなので、フラッシュを焚くと、ハブは、迷惑そうに、草むらへと消えていった。

登山道にてサキシマハブ。

ボートツアー後、食事(また、団体さん貸し切りで断られて、一回店を換えた(^^;)。その後、西表島滞在の最後に、自然観察センターに寄り、展示を見ることにする。島のマップと、最近の野生動物目撃情報が張られていて、誰でも自分の見たものを追加できるようになっている。島に来て、まずはじめに見にくれば良かったと、ちょっと後悔。(ヤツガシラとか、張ってあったが、もう島を離れるだけなので後の祭りだ)イリオモテヤマネコはじめ、野生動物についての展示や、西表島の歴史についての展示があった。島の歴史については、今まで知らなかったことが多く、興味深いものがある。大原港にて、レンタカーを返却し、石垣島へ戻る。さすがに、那覇までの復路は飛行機を利用した。

これで、鳥見ツアーとしての、沖縄旅行はおしまい。翌日は、まる一日をお土産あさりに費やして、翌々日の飛行機で、仙台へと戻ることになるのだ。


西表島の鳥たち
カンムリワシ、ムラサキサギ、オサハシブトガラス、リュウキュウサンショウクイ、リュウキュウヒヨドリ、イシガキシジュウカラ、キュウキュウメジロ、アマサギ、バン、シロハラクイナ、キセキレイ、コサギ、サシバ、ハヤブサ、セッカ、シマアカモズ、チュウサギ、ダイサギ、チョウゲンボウ、ホオジロハクセキレイ、タカブシギ、リュウキュウコノハズク、キジバト、アオバト、イソヒヨドリイソシギ、スズメ、カルガモ、ササゴイ。カワセミ、ミサゴ、キビタキ

番外編)サキシマハブ